夕暮れに 光る織り布 夏の影

18時を回ってもまだまだ明るい夏の夕暮れ。ヤクのストールの織り作業は順調に滑り出した。さて、もう一踏ん張りいたしましょう。

と、気合いを入れたところに好い香り。パスタかな?アヒージョかな?それともステーキ?見知らぬお宅の台所では夕餉の支度が始まったみたいだ。にんにくをオイルで炒める香りを風が運んできた。その香りを鼻いっぱいに吸い込むと突然、ビールモードにスイッチオン。参ったなあ。仕事モードはプツンと切れた。

手強い伏兵に仕事の腰を折られて、織り機から離れようとしたら、遮光カーテンの隙間から夕陽が射した。スポットライトで照らしたみたいに織り布と糸が光っている。

美しい。キリッとした布になりそうだと、経糸と緯糸の交わり具合を見ていたら、なんとも貴重な発見!
ムムムッ、織り目が飛んでいる。このまま見過ごして織り進めていたならば、織り傷になるところだった。今なら巻き戻しできると、修正箇所に待ち針を打ち、解く段数を確認したところで今日の仕事はおしまいに。織った布を一段一段解く作業は、明るい朝日の入る時に、心機一転始めるのが得策だ。

まだまだ暮れない夏の夕暮れ。工房を離れて、目指すは冷蔵庫。一口飲んだら、にんにくを丸ごとローストしよう。

 

ガラス作家舩木倭帆のビアグラスとエビスビール

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