ラクダの毛を紡ぐ湿潤な昼下がり

今日も雨。
工房の中の空気は潤いすぎるほどに潤っている。空気中に突如として、水の雫が姿を現しても不思議じゃないくらい。
湿度は高いけれど気温は27度。暑くはない湿潤な昼下がり。
お昼の休憩にコロリと寝転んで、紡いだ糸を眺めていたらうたた寝をしてしまった。

私が傘をさしかけると、つぶらな瞳、長いまつ毛のその方はウインクを返してくれた。
ふと、その方の足元に目をやると長靴を履いている。
湿潤な土の上は歩けない。。。確か辞典にそう書いてあった。
なるほど。
「日本では、長靴は必需品ですね。」
そう声をかけると、その方は、ゆっくりと、2回、瞬きをした。
長靴を履いたラクダはとても愛らしかった。

はて、長靴の色は何色だったんだろう?
夢の記憶を手繰り寄せても、どうも思いだせない。
寝直して、長靴の色を確かめに戻りたいところだけれど。
いやいや糸紡ぎのしごとに戻るとしよう。

ラクダの毛の匂いが一層強くなる湿潤な昼下がり。
湿潤だからといって決して柔らかくはならない(ような気がする)ラクダの毛。
わら屑が混じったバリバリとした毛を紡ぐ。
長かった雨の季節とラクダの毛を糸にするしごと。どちらもようやく明けそうだ。

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