白はコワイ・・・

ストール1枚分のヤクの白い糸を眺め続けて約半年。その白い糸を美しく明るい色に染めてみたい気持ちを絶って、白無地のストールを織ることにした。白のままの方が、『ヤク』らしいと思ったのが決め手となった。

そう決めて走り出したのだが、突然ハードルが現れた。「おっと。。。コワイな」
白無地で平織りという、究極にシンプルな織物はごまかしがきかない。というコワサ。

織の技術はもちろん、仕上げに至るまでの全ての制作の姿勢が白日の下に晒される。そんなバレバレ感がコワイ。
よく考えると、何色で作ったって隠せやしないことなのだけれど、それでもやっぱり白はコワイのだった。

どんなにコワがったところで、走り出したからには、この試合を放棄するわけにはいかないし。

と、いざ制作に取り掛かるとそれまでのコワサは何処へやら。ワクワクドキドキしながら一つ一つの作業が進み始めた。
そして、白は素敵な色だなあ。と、ヤクの糸の白い美しさに酔いながら織り始めたのだが、織り終わりが見え出すと、再びハードルが現れた。
どんな仕上がりになるのかがコワイ。

白はコワイ。めちゃくちゃコワイなあ。と、このコワイ話を夫に聞いてもらったら、
「白いハードルは、実に、コワイですね。コワイですね。」と、ふた昔前くらいに流行った、映画評論家・淀川長治さんの口調を真似て茶化された。
思わず吹き出すと、真剣に怖がっている自分が笑えてきた。
大いに笑えてきたところで、また走りだそう。
このコワサに『サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ』

 

関連記事

  1. もの想いー葡萄のグリーンカーテン

  2. 2本の細い糸を縒りあわせる

    糸撚り作業はテンポが大事

  3. ヤクの糸とヤクの糸で織ったショール

    ヤクのストールを織りだす前に

  4. フェルトソープのワークショップ

  5. ヤクの魅力を引き出すものは・・・

  6. abaka糸を整経

    のどもと過ぎれば

  7. 一本の糸から

  8. フェルトの鍋つかみ

PAGE TOP