天然生活11月号をパラパラとめくっていたら、フェンネルシードがパラリとかかっているチョコレートケーキの写真が目に止まった。お!っと思ってレシピを見ると、ブランデーにオレンジピール、シナモンパウダー、きび砂糖と蜂蜜を使っている。我が家定番のクラッシックガトーショコラとはちょっと違った材料に心をぐっと掴まれた。
ケーキ作りの担当は夫なんだけれど、年末納品のためにタイトスケジュールで作業をしている夫に「ねえ、作ってくれない?」とは言えないし、猫なで声を使ったところで断られるのは見えている。
夫に余裕ができたら作ってもらおう。と材料を揃えた時点で、自分の欲望に負けてしまった。
「食べてみたい!」
この食べてみたいという、いじらしいほどの欲望は、仕事でヘトヘトな体に異様かつ強力なエネルギーを与えてくれる。
材料をはかる。粉をふるう。混ぜる。ホイップする。。。夫の作業は実にクールに進行するが、私の場合は戦場さながらの台所になる。溶けたチョコレートこぼします。ホイップ飛び散ります。その他イロイロ。
ようやくケーキのタネを型に流し入れ終わった時に気づいた手落ち。パウンドケーキ型とパン型のサイズは違っていたんだ。
ともあれ完成したスパイシーなチョコレートケーキ。横広がりでちょいと不恰好な仕上がりではあるけれど、チョコレート、オレンジピールにブランデー、そしてフェンネルシード。この組み合わせは、とてつもなく新鮮で、私の好みでございました。
見目麗しいケーキは夫に作ってもらうのが一番だなあと思いつつ、フェンネルシードをさらにふり、ブランデーを舐めつつ食べる。
スパイシー万歳。