捏ねないパン キャラウェイ入り全粒粉ぱん

キャラウェイシード入りの全粒粉パン

強力粉3に全粒粉0.5とグラハム粉0.5の割合の粉に、塩と白神こだま酵母、これにキャラウェイシードをパラパラ、パラパラ、パラパラと入れる。水を入れてぐるぐるっと混ぜて冷蔵庫へ。寝る前にこの作業をやっておいて、翌朝電気コタツの中へ入れて2次発酵。お昼の支度の時に、丸めて鍋に入れて鍋ごとオーブンで焼く。お昼ご飯が終わった頃には焼きあがる。

このパンを「オンジのパン」と呼んで気軽に焼く様になった。この捏ねないパンのやり方は時間的に効率が良いことと、捏ね具合や発酵の状態を気にしなくても、皮はパリッ、中はもっちりというよりはねっちりと焼きあがる。お手軽な割には自分好みのパンになる。

私の「オンジのパン」にはキャラウェイシードが欠かせない。キャラウェイシードの入っていないオンジのパンは、気の抜けたビールのようなものだと思っていて、パラパラの回数を何回にするかを作るたびに悩んでいる。

さて、このキャラウェイシード。セリ科の植物キャラウェイの実を乾燥させたスパイスで、噛むと穏やかな甘さと爽やかさが口の中に広がる。香りはおしつけがましくなくって、その香りを胸いっぱい吸い込むと、初夏の爽やかな空気が一層澄んだようにさえ感じる。
キャラウェイには人や物を引き止める魔力があって、惚れ薬には必要不可欠な材料になるという言い伝えがあるそうだ。なるほど。最初にキャラウェイシード入りパンを食べたのはいつのことだったか忘れてしまったけれど、私はまんまとキャラウェイの魔力に引っかかってしまったようだ。そしてかれこれ40年を過ぎた今もその魔力は消えていない。
自分の庭を持つようになって何度かキャラウエイを植えてみたけれど、いつも失敗に終わってシードを収穫したことはない。シードをぽりぽりっと食べて、キャラウエイの白い花が広がる庭を思い浮かべると、また植えてみようかなと思ってしまう。

ともあれ、美味しそうに焼けたパン。このパンがあればそれだけで夕食が楽しめる。あり合わせの食材をアレンジすれば、買い物に出かけなくて済みそうだ。ゴルゴンゾーラをのせてしいたけを焼く。空豆も焼いて。ニシンのオイル漬けの缶詰めを使って一品。グリーンサラダ。新玉ねぎのスープ。白ワインがある。これで今夜のメニューは決まり。工房から台所へ直行できるぞ。

 

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