「タコにオリーブオイルをかけて和えておく。その器の上でぶどうの皮をむく。塩コショウするだけで相当おいしいんだ」
ちょっとテンション上がりぎみなユーミンのお喋りに、後部座席でうつらうつらとしていた頭が、突然覚醒してしまった。
カーラジオから流れてくるその後のトークも歌も、全く心に届かなくなって、その2種類が組み合わさった味や、それぞれの歯ごたえやらを、私の意識はただひたすらに追っかけていた。
ダメ元覚悟で行きつけの小さなスーパーで途中下車。そこで手に入れた、玄海産タコ足一本と熟れ熟れぶどうに小躍りしながら作ったその一品。逸品という字に変換してもいいくらい。
ガラス作家舩木倭帆氏の深緑のお皿に盛った、その一皿だけが、洒落たレストランの前菜のような夕食になった。
お味はですね・・・「相当おいしいんだ」このコメント以外に食べた感想や味の具合を、納得できる言葉で表現する能力なしです。ごめんなさい。
食べてみたい!ってちょっとでも思った方。是非お試しください。
ユーミン曰く「スーパーにある、タコブツ。あれでいいんだよね」と。