フェルトのベッドメリー『しずくのぼうけん』

「フェルトのベッドメリーがいいな」
「え?それってなに?」
「赤ちゃんが寝ているベッドの上に吊るす、モビールみたいなもの。ゆらゆら揺れて、赤ちゃんをあやしてくれるのがベッドメリーだよ」

『出産のお祝いに何が欲しい?』と従兄弟のお嬢さんに尋ねた時、初めて聞いたベッドメリーという言葉。
息子の子育ての時には使わなかったなあ。
でも、知ってる知ってる。と言っても私が知っているのは、セルロイド製で赤やピンクの派手な色の何やらがぶら下がっていて、くるくる回るモノ。回っている間に何やら音楽?がなっているモノ。
昭和の時代の記憶を手繰り寄せてみたら、その姿かたちをだんだんと思い出してきた。呼び名までは思い出せないけれど。

なるほど。赤ちゃんが目で動く物を追う追視が出来るようになると、その時の赤ちゃんの一番の好奇心をそそる遊び相手をとなるのが、ベッドメリーということだな。
ふむふむ、それでは、作ってみましょうと彼女のリクエストを請け負って、まず最初にごろりと寝転んだ。
疲れたわけじゃないんです。天井を見上げながら、どんなものがぶら下がっていたら楽しいかな。と思ったのです。
しかし名案は浮かばず。
そこで、絵本にヒントがあるかも。と書棚の絵本を渡り歩くうちに、これだ!と手にしたのが『しずくのぼうけん』(ポーランドの絵本)

 

バケツから飛び出した水のしずくは冒険の旅を始めます。日に照らされて水蒸気になったかと思ったら、空にのぼって雲のところへ。今度は雨になって地上に逆戻り。汚れたり、消えそうになったり、氷になったりとしずくのぼうけんは、ハラハラドキドキ。このしずくと一緒に冒険をするうちに、気温や場所によって変化する水の不思議、そして水が循環していく様を理解していくという絵本。

この絵本をモチーフにして作ったベッドメリー。それを眺めていた赤ちゃんも、もう小学生。今は妹の手を引いて遊びに来るお兄ちゃんになりました。

7年ぶりに新たに制作したベッドメリーは、雲のサイズが30cm×15cmくらいで車にも吊るして使えるコンパクトなサイズ。
今年の夏誕生された赤ちゃんへお届けいたします。モチーフとなった『しずくのぼうけん』の絵本を添えて。。。ベッドメリーを楽しんで、そして絵本を読んでもらってね。健やかなご成長を心より願っています。

私は『しずくのぼうけん』の絵とうちだりさこさんの訳詩が大好きです。
“ある すいようびの ことだった
むらの おばさんの バケツから
ぴしゃんと みずが ひとしずく
とびだして ながい たびに でた
ひとりぼっちで たびに でた”

 

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